不動産会社が倒産するとき

 不動産会社と言っても大きく3つの業態がある。

 

 

 不動産の業態とは

 

【不動産販売事業について】

 ①土地を仕入れ、戸建てやマンション、ビルを建設し販売する方法

 ②既に完成した戸建て、マンション、ビルを仕入れ販売する方法

 ③建設会社等が保有する土地に建設プラン付で仕入れ販売する方法

 ④中古マンション、中古戸建、中古ビルを仕入れリノベーションして販売する方法

 

【不動産賃貸事業について】

 ビル、マンション、戸建て、店舗、駐車場、土地を賃貸して収入を得る方法

 

【不動産流通事業について】

 ①マンション、戸建て、ビル、駐車場、土地の賃貸の仲介をして手数料を得る方法

 ②マンション、戸建て、ビル、駐車場、土地の売買の仲介をして手数料を得る方法

 ③マンション、戸建ての分譲において販売代理として手数料を得る方法

 

【説明】

 ①街の不動産屋さんは、主に不動産流通事業を行っており、地元の地主との人間関係から物件の管理を任されているので管理手数料が毎月安定的に入ってくる。

 更に、引越し会社紹介手数料、保険代理店手数料も加わってくることになる。

 ②大手不動産会社は3つの事業を全て行っており売上規模も兆円単位である。

 

倒産リスクの高い業態

 

 不動産販売事業になるでしょう。現金や預金で仕入れて販売できるほど不動産は安くない。どうしてもレバレッジ(借入)を起こさなければならないので、売残りが出たり売るために原価割れをしてまでも販売した場合は資金収支が赤字になる。これが、継続してしまうと倒産してしまう。

 

 基本的に、不動産販売事業を行う不動産会社に対して、金融機関は短期貸付でしか貸さない。これは、1年以内に返済しなければならない。また、返済方法としては引渡し及び住宅ローン実行後、1戸あたり定額あるいは一定の割合で返済額を決定し返済する。売れ残った場合はその分は返済しなくていいのかというとそうでもない。最終返済日が決まっているからである。

 

 立地や間取り、価格の問題も然ることながら、景気の波をもろに食らうので今まで売れていたのに急に売れなくなったというのが普通にある。正にリーマンショックがいい例でありあの頃の大変さを忘れている不動産会社が多い。

 不動産会社がうまくいかなる時、金融機関の総量規制(不動産業に対する貸付割合が減らされる)が入った場合が考えられる。市場が過熱している場合に監督官庁が行う。新規融資がなくなり、不動産会社に対する運転資金の回収が強化される。当然、個人の住宅ローンも審査が厳しくなり審査が通らなくなる。

 現在は、メガバンクは自主的にポートフォリオを決定し規制が入らずとも融資を抑制している。三井住友銀行は、数年前から分譲会社に対する融資を抑制している。中小分譲会社に対しては融資を行っていないと聞いている。みずほ銀行も建設会社に対しても融資を抑制しているという話を最近聞いている。

 

中小の分譲会社の経営

 

【経営上注意する項目】

 

 直近の決算書による分譲事業における年間売上高に対して、月次決算の貸借対照表上残高、仕掛販売用不動産は3割を超えてはならない。

 販売用不動産は、貸借対照表上の割合を気にするよりも期間と数量を気にした方がいい。販売用不動産(竣工後)になってから1年以内に売り切る。販売用不動産となってから半年経過しても数量でプロジェクト全体の2割以上残っているようであれば悩まずサービスをして売り切った方がいい。当然借入残高も直近の年間売上高を超えないようにする。できる限りこれからの経営は内部留保を厚くするようにする。

 

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 【特に大事】

 売れないからと言って、営業社員を増強するような採用はしてはならない。その人件費を賄うために、また物件の仕入れやら信用金庫から運転資金を借りて負のスパイラルに陥り倒産の憂き目に会うことになる。相場で生き残るには、相場を張る前に厳格なルールを策定しそれに機械的に従うのみである。負けを認める勇気が必要である。

 これから、消費税10%に引き上げられること、人口減少に歯止めがかかっていないことから不動産経営はとても読みづらいが、分譲事業、ストック型ビジネス、手数料ビジネスのミックスで乗り切っていこう。